報告書 執筆要領
※この文は2018年度版「報告書 執筆要領」に準拠している.
この文書は,特別研究,発展研究およびセミナーの報告書の形式の標準形を示すものである.
■形式概要
用 紙: A4 用紙 ( 無地白紙 ) 縦向きに横書き片面印字. ( 裏面は原則白紙 )
装 丁:(研究室に保存する場合)指定のバインダーで 2 穴横綴じ.外表紙は下記の通り.背表紙には年度・題目・氏名等を貼る.
※セミナーはバインダーなしで,普通紙の表紙にステープラーで横綴じ
表 紙: 外表紙・中表紙共に題目・学籍番号・氏名・指導教員名を記す.セミナーでは外表紙のみ
内容梗概: 1 頁, 1000 文字程度.セミナーでは不要
目 次 :小節 (subsection) まで表示.セミナーでは節目次
文字数 :1000 字程度/ 1 頁
本文頁数 :特別研究 :15 頁,発展研究 :20 頁,セミナー :5 頁,修士論文 :40 頁が目安
スタイル :段組み無し.脚注は原則なし. 1 行文字数・ 1 頁行数は任意
フォント :明朝体とゴチック体が基本.サイズは本文 12 ポイントが基本
本文余白 :上部 25mm ,下部 25mm ,左 30mm ,右 30mm が目安
頁番号 :下部余白中央にアラビア数字で印字
謝 辞 :1 頁以内.セミナーでは不要
参考文献 :形式指定なし.主要学会に準拠するのが望ましい
付 録 :必要に応じて添付.形式・枚数は指定なし
※修士論文は上記の限りでない.作成に際しては理工学部教務課の指示に従うこと.
■執筆に際しての注意(詳細)
1. 一般注意 ( 表記等 ): 報告書全体を通しての注意.
誤字・誤変換に注意.誤字は論文の信頼度低下につながるので,厳重に確認する ( 他人に読んでもらうことが重要 ) こと
句読点の種類 ( ,. / 、。 ) や数字の半角 / 全角等に統一性をもたせること. 「行う」「言う」「対して」等の表記も統一する
※学科共通的な規定は設けない.主要な学会の投稿規定などを参考にせよ
段落は書き出しを 1 字下げて書き始めること
俗語 / あて字を使用しないこと.必要な場合はカッコでその旨を示す
適切な訳のない他国語の述語は,原則として原語で表記すること.カタカナ表記にする場合,初回は原語を併記する
単位の省略記号は標準的なものを用いること.理工学分野で使用するほとんどの語句・単位・略号は JIS で定義されているので,それに従えば間違いはない( 例 :JIS Z 8203( 国際単位系 (SI) 及びその使い方 )) .そうでないものも学会等で使用されるものを使う.特殊な表記を使用する場合は最初に正確に定義せよ
多種の記号/略号/変数を使用するときは一括して記号表にまとめ,目次の後に示す
2. 表紙・中表紙 :
オンライン提出の場合は,外表紙だけでよい.背表紙も不要
保存用に綴る場合,表紙はバインダーの外表紙と本文の最初の中表紙があるが,内容は同じとする.中表紙については <報告書表紙 サンプル>に準じること
外表紙・背表紙については後述「 10. 装丁」を参照
【セミナーの場合】:外表紙のみ
3. 内容梗概: ( セミナーには不要 ) ※梗概は本文の頁数に算入されない
1枚目に簡単な要約をつけること.研究の目的や論じている範囲,本文で述べる研究内容を簡潔にまとめる.文字数その他のスタイルは本文に準ずる (1000 文字程度 ) .段組み等,本文から極端なスタイルの変更はしない
※内容梗概と要旨との差異 : (厳密な定義はない)
要旨は論文本体と切り離されるため, 1 枚で全てをアピールする必要がある.したがって内容を象徴するグラフや図表を活用したり,参考文献や発表学会を掲載したりする
内容梗概はあくまでも報告書の一部なので,データや結果をアピールするよりも,目的や背景から内容の流れや構成,独自の着眼点等についてコンパクトに,文章主体でまとめられることが多い
4. 目次 : ※目次は本文の頁数に算入されない.
目次は必ず作成すること. 章,節,小節のレベルまで,各々の番号とタイトルと開始頁を示す
詳細な目次の場合は行数が多くなるが,行間を調整して 2 頁程度に収める
【セミナーの場合】:節目次のみでよい
5. 本文 : 本文の形式について.
段組はしない
原則として脚注はなし.必要な場合は参考文献の後にまとめる
本文構成は原則として章立てとし, 「部」 ( 第○部 ) は用いない
【セミナーの場合】:セミナー報告書では章立てではなく節立てとする
章立ては多くの場合,緒論 ( 第 1 章 ) ,本論 ( 第 2 章~第 n - 1 章 ) ,結論 ( 第 n 章 )という構成になる ( 節立てでも同様 ) . 15 ~ 20 頁程度の論文の場合, 4 ~ 6 章構成を目安とする
緒論では研究の背景や目的を述べる
本論では理論,方法,結果,検討などをいくつかの章に分けて記す
結論は論文全体を総括し,得られた知見をまとめ,今後の課題について言及する
具体的な章立ては指導教員と相談する
すべての頁に通しページ番号 ( ノンブル ) をつける
図や表には,必ず通し番号と題をつけ,一意に参照できるようにする
ページ内に図表が混在するのは構わない.図表の場所も特に指定はない
⇒ 次項「 6. 図表」を参照
6. 図表 : 図表や写真についての注意.
図表には図表番号・図題・簡単な説明をつける.図表だけの頁にもノンブルを打つ
図表番号は論文を通して一意でなくてはならない
グラフでは縦軸,横軸の物理量,単位を落とさないように
図には値や補助線を記入する.その図単独でも意図 / 意味が読み取れるように作る
本文では必ず,添付した図表を参照し,説明する.逆に,本文で参照されない図表はつけるべきではない
本文中に非常に多数の図表 / 写真を扱う場合,文章の流れが悪くなることを避けるため, ( 例外的に ) 本文の反対側の頁 ( 用紙の裏面 ) に貼りつけてもよい
※これは電子文書では難しい
逆に,図表をまとめて提示するのがふさわしい場合は,各章の終わりか,参考文献の後に「付録」としてまとめる
7. 謝辞: ( セミナーでは不要 ) ※謝辞は本文の頁数に算入されない.
卒業論文や修士論文などの学位論文では,指導教員,他の教員,大学院生,内外の共同研究者など,指導や助言,援助を受けた人に謝意を示すことが慣例である ( セミナー報告書では不要とするが禁止するものではない )
外部との共同研究に関わる場合は,知的財産権の所属を明記する必要がある
謝辞に長文は不要で,常識として 1 頁以内に収める
8. 参考文献 : ※参考文献は本文の頁数に算入されない.
参考文献や引用文献は論文の最後に ( 付録があればその前に ) まとめて書くこと
※学会 / 研究会での発表 / 学会誌掲載論文は主著 / 共著共に文献として挙げる
報告者が主著または共著である口頭発表と発表論文がある場合は,発表予定のものを含め,最初に列記する.その後,本文で引用した文献の一覧を載せる
本文における引用箇所では語の右肩にアラビア数字と括弧を附し, 引用語1)あるいは 引用語6−10)などのようにする
学会名や学術雑誌には慣習的な略し方がある.たとえば“ Phys. Rev. ”は物理学の雑誌“ Physical Review ”の略記である.あまり頻繁に引用されない ( つまり主要でない ) 雑誌 / 学会や不定期の学術研究会の予稿集などは略記すべきではない.略記しても問題ないかどうか判断できなければ,略記しないで全部書いておく
引用文献の形式については,研究分野や学会等により異なるので,学科共通的に厳密な定義はしないものとする.自分の研究分野で主要な学会論文誌を参照にする.重要なことは,第三者が引用文献に確実にたどり着けることである.以下に引用形式の例を挙げておく
– 引用文献が雑誌の場合は,著者名,雑誌名,巻数 ( 年号 ), 引用頁の順に書く
1)C. F. Chew and F. E. Low, Phys. Rev., 101(1999), p.1599
2)C. Kojima, S. Toda, and A. Urabe, Trans. IEEE Circuit Theory, CT-7 (1999), p.202
3) 電子太郎,電子情報通信学会誌, 77( 平成7年 ),pp.1051-1058
– 引用文献が単行本の場合は,著者名,書名 ( 出版社,年号 ) ,引用頁の順に書く
4)John Todd (ed.), Survey of Numerical Analysis(McGraw Hill, New York, 1992), p.164
5) 犬井鉄郎,特殊函数 ( 岩波書店,昭和 57 年 ), 第7章 (pp.307-323)
– 頁番号表記は,引用箇所の開始頁を示す ”p.102” 形式か,もしくは引用箇所の終頁を併記する”pp.102—111” 形式がよく用いられる
9. 付録 : ※付録は本文の頁数に算入されない.
本文の内容を補完する理論や数式の展開が長くなったり,結論導出の裏づけとなるデータが大量になった場合,本文中にいれると冗長になり議論の見通しが悪くなる.そういう時は,これらを付録として末尾にまとめること ( 以下の例を参照 ) .本文とのバランスを考慮して決める
数式の証明または誘導が長い場合,その過程が主な論点でなければ付録にする
プログラムのソースリストが長い場合,プログラムそのものが主題でなければ,重要なアルゴリズムの部分のみ本文掲載し,ソースリストは付録にまわす
付録の分量・種類が多いときには,さらに付録 A ,付録 B , ... と区別する
長期間の実験計測データや,統計的な一次情報など,特徴や知見を抽出する前の大量なものは,本文内容に影響がなければ割愛してもよい.また,別冊付録として別にまとめてもよい ( 報告書提出時にはその旨を申し出る必要がある)
10. 装丁 : ※研究室で保存する場合の注意.
報告書・論文は本来,印刷され,バインダー等に綴じられるものである
オンライン提出においても,読み手が印刷することを想定する必要がある
特に左右マージンは注意.マージンがないと綴じたときに見えなくなる
以下はバインダーに綴る場合の注意事項である
中表紙から付録まですべての紙に対し,左余白部中央に 2 穴パンチにて穴を開け,バインダーに綴じる
バインダー ( 外 ) 表紙には,報告書 ( 中 ) 表紙と同じ様式で,題目等を印字した用紙を貼る
バインダー背表紙には,「○○年度 □□研究報告書」,題目,学籍番号,氏名を印字した用紙を貼りつける.縦書きが望ましいが数式や物質呼称等で困難であれば横書きも可
【セミナーの場合】:バインダはなし.表紙は普通紙に印字し,ステープラーで左余白部分の 2 ~ 3箇所を横綴じする
※報告書のサンプルを以下に示す.
https://gyazo.com/bf6f68da66ab77508a8c91fcee637b13